思考法
良い数学問題とは何か?解く側と作る側の両方から考える
連続する奇数の積に1を足すと平方数になる。意外な性質を題材に、良い問題の条件を解く側と作る側の両面から考え、問題を作る楽しさにも触れます。
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「良い数学の問題」とは、どんな問題でしょうか。難しい問題でしょうか。それとも、答えが美しい問題でしょうか。解く側として問題に出会うだけでなく、作る側に回ってみると、この問いの答えが少しずつ見えてきます。この記事では、1つの問題を題材に、良い問題の条件を考えます。
まず、不思議な計算を眺めてみる
次の計算をしてみてください。
答えは16、36、64で、すべて平方数(、、)です。偶然でしょうか。それとも、連続する2つの奇数の積に1を足すと、いつも平方数になるのでしょうか。
考えてみましょう。連続する2つの奇数は、 と と書けます。
この式は、積に1を足すと、2つの奇数の間にある偶数 の2乗になる、ということを表しています。 なら、間の偶数は4で、 です。偶然ではなく、必ず成り立つ性質だと分かりました。
さらに、問題を広げてみます。連続する4つの整数の積に1を足すと、どうなるでしょう。、、 と、やはり平方数です。
この式が成り立つ理由は、、 と、両端の積と真ん中の積に分けるとわかります。 とおくと、左辺は になるのです。
解く側から見た、良い問題の条件
この例には、解く側にとって楽しい問題の特徴が詰まっています。
- 入口がある:まず数を入れてみる、という誰でもできる一歩から始められます。
- 驚きがある:「いつも平方数になる」という意外な事実に、「なぜ?」が生まれます。
- 自分で確かめられる:数を代入して、予想が正しいか検算できます。
- その先がある:連続する2つの奇数から、4つの整数へと、問題を広げられます。
難しいかどうかは、良い問題の必須条件ではありません。簡単に始められて、深いところまで続いていく問題が、多くの人に愛されます。
作る側から見た、良い問題の条件
問題を作る側に回ると、別の難しさが見えてきます。
まず、「答えから作る」方法があります。たとえば、先ほどの問題は、「平方数になる式」を逆に眺めて、「連続する奇数の積に1を足す形」を作ったとも言えます。
次に、条件の過不足の確認です。問題の条件が足りないと、答えが複数出てしまいます。多すぎると、矛盾してしまいます。パズルを作るときは、自分で何度も解いて、答えが1つに決まるかを確かめる必要があります。
さらに、「解き方に出会いがあるか」も大切です。最後に答えを聞いて「なるほど」と思える仕掛けがあると、解いた人の記憶に残ります。
問題を人と共有する楽しさ
問題を作ると、自分では思いつかなかった解き方に出会うことがあります。同じ問題でも、人によって解き方が違い、その違いが新しい発見につながります。Qraftのように、問題を投稿して他の人の解法を見られる場は、まさにそうした出会いを楽しむための場所です。解くだけでなく、作る側に回ってみると、問題の見え方が変わります。
まとめ
良い問題には、入口があり、驚きがあり、自分で確かめられて、その先に広がりがあります。作る側から見ると、答えを先に決めて逆から作る、条件の過不足を確かめる、という工夫も必要です。次に面白いと思った問題に出会ったら、「なぜこの問題は面白いのか」を、一度考えてみてください。そして、自分でも1問、作ってみませんか。