数学
数学でよく使う「場合分け」はなぜ強いのか
絶対値の方程式や、平方数を3で割った余りを例に、場合分けの考え方を解説。「漏れなく重ならず」分けるコツと、場合を減らす工夫も紹介します。
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数学の解説で「場合分けをして考えます」と出てくると、少し面倒に感じるかもしれません。けれども場合分けは、数学の中でも特に頼りになる道具の一つです。難しい問題を、いくつかの簡単な問題に分けてしまえるからです。この記事では、場合分けがなぜ強いのかを、2つの例で確かめます。
場合分けの正体:分けると、中身が単純になる
絶対値を含む方程式を見てみましょう。
問題: を解きなさい。
絶対値は、中身が正か負かで外し方が変わるので、そのままでは扱いにくい式です。そこで、 の範囲で場合を分けます。分ける目印は、絶対値の中身が0になる と です。
- のとき:、 なので、 より 。これは を満たします。
- のとき: となり、 は成り立ちません。解なし。
- のとき: より 。これは を満たします。
答えは と です。それぞれの場合では絶対値が外れて、ただの一次方程式になりました。場合分けの強さは、「難しい式を、場合ごとの簡単な式に変えられる」ところにあります。最後に、求めた値が、その場合の範囲に入っているかを確認することも忘れないでください。
場合分けの約束:漏れなく、重ならず
場合分けには、守りたい約束が2つあります。1つは「漏れがないこと」(すべての可能性がどれかの場合に入る)、もう1つは「重ならないこと」(どの可能性も1つの場合にだけ入る)です。先ほどの例で、、、 は、数直線を端から端まで、境目をちょうど1か所に決めて分けています。
等号の置き方も大切です。たとえば「 と 」のように分けると、 が両方に入って重なります。重なっても結果は同じことが多いのですが、数え上げの問題では、重なりが誤りの原因になります。
整数の問題で効く:余りで分ける
整数の問題でも、場合分けは大活躍します。
問題:整数 を3で割った余りで分けて、 を3で割った余りを調べなさい。
整数は、3で割った余りで 、、 の3通りに分けられます(余りが2の数は とも書けます)。それぞれを2乗します。
この式は、 が3の倍数なら も3の倍数(余り0)、そうでなければ を3で割った余りは必ず1になることを表しています。つまり、平方数を3で割った余りは、0か1しかありません。
ここから、おもしろい結論が導けます。 が3の倍数になるのは、 と の余りの組合せが「0と0」のときだけです(0+1や1+1では余りが1や2になるため)。したがって、 が3の倍数なら、 も も3の倍数だと分かります。
場合が多すぎるときは
場合分けは強力ですが、場合が増えすぎると大変です。そんなときは、似た場合をまとめます。上の例で と を としてまとめて計算したのは、その一例です。また、整数なら「偶数か奇数か」という2通りに絞る、対称性を使って片方だけ調べる、といった工夫もあります。
まとめ
場合分けの強さは、難しい問題を、場合ごとの簡単な問題に分けられることにあります。使うときは「漏れなく、重ならず」を守り、場合が多すぎるときは、まとめられないかを考えます。「場合分けが面倒だ」と思ったときは、「どんな基準で分ければ、各場合が簡単になるだろう」と、分け方を工夫してみてください。