数学
補助線はなぜ思いつかない?図形問題を見るときのコツ
補助線は才能ではなく目的を持って引くもの。三角形の中の点の角度を求める例題で、「欲しい関係を作る」という補助線の考え方と定番パターンを紹介します。
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図形問題の解説に「ここで補助線を引きます」と書かれているのを見て、「どうしてそんな線を思いつくの?」と感じたことはありませんか。実は補助線は、ひらめきというより、はっきりした目的を持って引かれていることがほとんどです。この記事では、その目的を知ることで、補助線を「思いつく」ではなく「狙って引く」ものに変えていきます。
補助線の目的は「欲しい関係を作ること」
最も有名な例は、三角形の内角の和が180°になる理由です。三角形ABCの頂点Aを通り、辺BCに平行な直線を引きます。平行線の錯角は等しいので、角Bと等しい角、角Cと等しい角が、頂点Aのところに現れます。頂点Aには、もともとの角Aと合わせて3つの角が一直線上に並ぶので、合計は180°です。
この補助線は、図の中に元々なかった「角Bと角Cの居場所」を作るために引かれました。補助線とは、今ある図には存在しない「等しい角・平行・直角・合同」などの関係を、人工的に作り出す線だと言えます。目的が分かれば、線を引く方向も絞られます。
例題:三角形の中にある点
三角形ABCの内部に点Dがあります。、、 のとき、 は何度でしょうか。
角度の情報が、バラバラの場所にあることに注目してください。、、 を、 のところへ集めたいのです。「集める」ために、どんな線を引けばよいでしょうか。少し考えてみてください。
直線ADを延長し、辺BCとの交点をEとします。三角形ABDで、 は の外角なので、離れた2つの内角の和に等しくなります。
同じように、三角形ACDでは です。この2つを足すと、 なので、次のようになります。
この式は、「点Dのところの角は、頂点Aの角と、2つの小さな角の合計に等しい」という、一般に成り立つ性質を表しています。延長という補助線一本で、バラバラだった角が一か所に集まりました。
補助線の定番パターン4つ
補助線の引き方には、よく使われる型があります。
- 平行線:錯角や同位角で、等しい角を別の場所へ移したいとき。
- 延長:外角の性質を使いたいとき。線を延ばして新しい三角形を作ります。
- 中点まわり:中点を見つけたら、2つの中点を結ぶか、線を2倍に延ばします。三角形の2辺の中点を結ぶ線分は、第3辺に平行で長さが半分になります(中点連結定理)。
- 垂線:角度や長さの情報が斜めになっているとき、垂線を下ろして直角三角形を作ります。
見るときのコツ
補助線を思いつけないとき、次の問いが助けになります。
「まだ使っていない条件はないか?」中点、平行、直角、等しい長さのうち、図の中で使われていないものが、補助線の方向を教えてくれます。「何と何が離れているか?」角度が散らばっていれば集め、長さが離れていれば近づけます。「知っている定理の形を作れないか?」あと一本で外角や平行線の形が完成するなら、その一本が補助線です。
まとめ
補助線は、新しい情報を付け足す魔法ではなく、図の中に眠っている関係を取り出しやすくするための道具です。目的が「集める」「近づける」「等しい関係を作る」のどれなのかを意識すると、線を引く方向が見えてきます。次に図形問題を見るときは、まず「どの条件がまだ使われていないか」を探してみてください。