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数学

方程式を使わずに解くと見えてくる算数の面白さ

つるかめ算と年齢算を方程式なしで解きます。仮定して差を見る、変わらない量に注目するといった算数の発想が、方程式の意味も教えてくれます。

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方程式は強力な道具です。文字を置いて式を立てれば、多くの問題が機械的に解けます。それでも、方程式を使わずに解いたときにだけ見える景色があります。小学校の算数で出会う「つるかめ算」や「年齢算」は、その代表です。この記事では、方程式なしで解く発想を2つ紹介し、最後に方程式とのつながりを考えます。

つるかめ算:全部つるだと仮定してみる

つるとかめが合わせて10匹います。足の数は全部で32本です。つるは何匹、かめは何匹でしょうか。

方程式なしで考えてみます。もし10匹が全部つるだったら、足は 10×2=2010\times2=20 本です。実際は32本なので、32−20=1232-20=12 本足りません。つるを1匹かめに替えるごとに、足は 4−2=24-2=2 本ずつ増えます。足りない12本を埋めるには、12÷2=612\div2=6 匹をかめに替えればよいのです。

答えは、かめが6匹、つるが4匹です。確かめると、6×4+4×2=24+8=326\times4+4\times2=24+8=32 本で、合っています。ここで使った発想は、「わざと極端な仮定をして、実際とのズレを見る」というものです。ズレを1匹あたりの違いで割れば、入れ替える数が出ます。式を立てなくても、何をしているのかが目に見えます。

年齢算:変わらない量に注目する

今、父は40歳、子は10歳です。父の年齢が子の3倍になるのは、何年後でしょうか。

年が過ぎると、2人の年齢は同じ数だけ増えます。ということは、2人の年齢の差は、ずっと変わりません。今の差は 40−10=3040-10=30 歳です。父が子の3倍の年齢のとき、父は「子の3人分」の年齢です。したがって、2人の差30歳は、子の3人分から子の1人分を引いた、子の2人分にあたります。

30÷2=1530\div 2 = 15

この式は、子の2人分が30歳なので、子1人分、つまり子の年齢が15歳だと表しています。子は今10歳ですから、15−10=515-10=5 年後です。そのとき父は45歳で、確かに子の3倍です。

「時間が経っても変わらない量(年齢の差)」を見つけると、問題が一気に単純になります。この発想は、中学以降の数学でも、変わらない量を探すという形で何度も登場します。

方程式との関係:同じ構造を、別の言葉で話している

つるかめ算を方程式で解く場合を見てみましょう。つるを xx 匹、かめを yy 匹とすると、x+y=10x+y=10、2x+4y=322x+4y=32 です。2番目の式から、1番目の式を2倍したものを引くと、2y=122y=12 になります。

2x+4y−2(x+y)=32−20⇒2y=122x+4y-2(x+y)=32-20 \quad\Rightarrow\quad 2y=12

この式の「2(x+y)=202(x+y)=20」は、「全部つるだと仮定した足の数20本」と同じです。「2y=122y=12」は、「足りない12本は、かめ1匹あたり2本ずつ足りない分」と同じです。方程式と算数の解き方は、同じ構造を別の言葉で話しているのです。

方程式を知ると算数の解き方は不要になる、というわけではありません。むしろ、算数の解き方を知っていると、式の一つひとつが何を意味しているのかが見えるようになります。

解いてみてください

つるとかめが合わせて20匹で、足の合計は56本です。つるとかめは、それぞれ何匹でしょうか。全部つるだと仮定したときの足の数を、まず計算してみてください。

答えは、40本から始めて、足りない16本を2で割ると8匹がかめ、つるは12匹です。確かめると、8×4+12×2=32+24=568\times4+12\times2=32+24=56 本です。

まとめ

方程式なしの算数は、「極端な仮定をして差を見る」「変わらない量に注目する」という2つの発想を教えてくれます。これらは、方程式を使うときにも、式の意味を理解する助けになります。次に方程式を立てたくなったら、一度だけ、「この式は、図や仮定でどう説明できるだろう」と考えてみてください。

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